
大学2年くらいのときから徐々に彼の音楽に興味を持ち始め、
CDや録音データを少しずつ揃え、YouTubeのライブ動画のソロを採譜したりするようになりました。
自分のライブで彼の曲を演奏することもよくあります。
私は彼とは生まれた場所も、年代も、性別も、人種も、何もかも違うのに
彼の作り出す音の細部にまでいちいちこんなにも共感しきゅんとすることが、
本当に不思議だなぁと思います。
文字通り人間の神秘を感じます、
や、大袈裟でなく。ほんとに。
彼の旋律にはジャズの歴史が濃縮されていて、
でも全て彼の言葉で、無駄や誇張が一切ない。
そう、余計な自尊心みたいなものを一切感じないです。
その音が自分の音楽に必要だから奏でてるだけ。
先日のコットンクラブで存分に味わってきました。
震えながら絞り出すように生まれる音はとにかく澄みきっていて、
じっと耳を傾けると、すーっと心が軽くなります。
バンド全体の練られたサウンドの上に、
ジャズのあらゆる歴史を感じるトムハレルの旋律がとつとつと溶け込んで、
そこにしかない音楽が出来上がっていました。
ベースとデュオのIf you could see me now、YouTubeで何回聴いたか。
いきなり始まって「えっ?!えっ?!」と一人奇声をあげてしまいました。まさかやってくれるとは。
全編泣きっぱなしです。目が痛くて痛くてしゃーなかったです。
泣くわ呻くわで一緒にいた後輩たちはさぞかし他人のふりしたかっただろうと思います。
そして
そしてなんと

もらってしまいました。
最初入り口で、
演奏後に本人のサイン会はしません、と言われてお店にケースを預けてたんですが、
ドラムのAdam Crusが気さくにサインをもらってきてくれました。
や、優しい(T_T)
トムハレル、字、きれい(T_T)
そしてこのことをFacebookで自慢したら

本人がシェアしてくれました。
我がトランペッター人生に悔いなし。
つらいときにはこのサインを見て頑張ります。
精進します。